作家紹介
並木秀俊/截金師・日本画家
1979年、千葉県佐倉市生まれ。東京藝術大学にて日本画を専攻し、在学中に人間国宝・江里佐代子氏より伝統技法「截金」を学ぶ。修士課程では鎌倉時代の仏画模写を通じてその技術を深く体得した。
現在は日本画と截金を融合させた独自の表現スタイルを確立。東京藝術大学大学院にて博士号(文化財)を取得後、同大学にて助教や特任准教授として指導にあたる。日本美術院特待。また全国の美術系大学にて箔技法の講義を行い、後進の育成や截金の研究にも尽力している。伝統を重んじながらも、現代の息吹を感じさせる作品を生み出し続けている。
経歴
- 2003
- 東京藝術大学美術研究科絵画科日本画専攻 卒業
- 2005
- 東京藝術大学大学院美術研究科文化財保存学専攻保存修復(日本画)修了
- 2008
- 東京藝術大学大学院美術研究科文化財保存学専攻保存修復(日本画)博士課程修了
- 博士(文化財)学位取得
- 2011
- 東京藝術大学大学院美術研究科文化財保存学専攻 助教(~2014)
- 2018
- 東京藝術大学 COI拠点 arts & science LAB. 特任准教授(~2022)
- 日本美術院 特待推挙
賞歴
- 2005
- 修了作品大学買い上げ賞受賞
- 2008
- 野村美術賞受賞
- 2010
- 第16回天心記念茨城賞受賞
- 第65回春の院展 奨励賞受賞(第66・67・69・74回)
- 第95回再興院展 奨励賞受賞(第97・101・103回)
- 2011
- 第66回春の院展 外務大臣賞
- 2012
- 公益財団法人芳泉文化財団 平成21年度文化財保存学(日本画)研究助成 顕彰対象研究
- 第27回有芽の会 法務大臣賞受賞
- 2014
- 平成25年度花王芸術科学財団 美術に関する研究奨励賞受賞
- 2017
- 一般財団法人 前田青邨顕彰中村奨学会「第六回中村賞」受賞
研究関係
- 2009 - 2010
- 公益財団法人芳泉文化財団研究助成
- 2013 - 2015
- 科学研究費挑戦的萌芽研究(課題番号 25580031)研究代表者
- 2013
- 「古代ガラス―色彩の饗宴―」展図録(MIHO MUSEUM・岡山オリエント美術館)部分執筆
- 2014
- 「輝ける金と銀―琳派から加山又造まで―」展図録(山種美術館)学術協力・部分執筆
- 2018 - 2022
- 科学研究費基盤研究(C)(課題番号 18K00228)研究代表者
- 2018
- 「ローマ・敦煌・奈良―アジア・ヨーロッパ・シルクロードの文化・芸術交流」敦煌研究院 招待講演
- 2019 - 2022
- 一般財団法人守谷育英会 助成研究
- 2023
- 「金・銀・ガラス 中東からユーラシアの草原へ」大英博物館 共同講演(藤井慈子・並木秀俊)
ゴールドサンドイッチガラス碗における截金技法研究
大学院の博士課程修了後、私は大英博物館に所蔵されている紀元前のガラス椀「Sandwich gold-glass bowl」の復元模造に着手しました。
きっかけは、大学時代に師事した江里佐代子先生の講義です。日本独自の技法と認識していた截金が、かつては海外にも存在していたことを知り、強い関心を抱いたのです。
この「ゴールドサンドイッチガラス」と総称される器は、二層の透明ガラスの間に金箔装飾を施した構造を持ち、西欧各地で出土しています。
その装飾技法については、これまで技術的な解明や詳細な復元研究が十分に行われてきませんでしたが、自身の復元研究を通じて、多数確認されているゴールドサンドイッチガラス作品に見られる箔技法の違いを明らかにすることができました。
さらに、ローマ時代のガラス装飾を研究する史学博士・藤井慈子氏と共同で、これまで誰も成し遂げていなかった截金技法の起源を探る研究にも挑戦しました。
こうした成果が評価され、2023年6月には大英博物館に招かれ、講演を行う機会をいただきました。
ゴールドサンドイッチガラス碗における截金技法研究
大英博物館所蔵 Sandwich gold-glass bowlの復元模造
- 12.5 × 23.0 cm(直径)
- ガラス:迫田岳臣
- 截金:並木秀俊
金絲七彩
並木秀俊截金作品集
GOLD THREAD WITH SEVEN SHADES Hidetoshi Namiki Kirikane Art Works
並木秀俊の作品61点に加え、截金の歴史、技法や素材などを紹介。山種美術館山﨑妙子館長、銀座凮月堂社長横山浩史氏との対談も収録。
截金師・日本画家/並木秀俊の世界をより深く知りたい方は、是非お手にとってお楽しみください。
- 第57回 造本装幀コンクール 日本印刷産業連合会会長賞 印刷・製本技術賞
- 第65回 全国カタログ展 図録部門 実行委員会奨励賞受賞